「難治性心不全一Breakthroughはあるか?」一慢性心不全における発作性心房細動の意義

摘要

現病歴：1991年に労作時息切れを生じ，冠動脈造影?心筋生検を含む精査にて特発性拡張型心筋症による慢 性心不全と診断された.心不全薬物療法を展開しても息切れ感は徐々に増悪し，2005年には持続性 心室頻拍に対して植込型除細動器(ICD)が留置された.2006年頃からは心不全増悪による入退院 を頻回に繰り返し,2007年1月夜間発作性呼吸困難にて第8回目の入院となった.現症：身長159 cm,体重65 kg.脈拍78/分?不整，血圧98/60 mmHg.肺に湿性ラ音と，心聴診上 第3音および収縮期雑音(2/6)を聴取した.下腿浮腫は軽度だが，頸静脈怒張と肝腫大(3横指）は 高度に認めた.