渦電流形変位センサの温度ドリフトを改善するための励振周波数の検討

摘要

本論文では，励振周波数を変化させることによるEC変位センサの温度ドリフトの低減方法を提案している。他励方式では，20°CにおいてQ値が最大となる周波数（共振周波数f_0）で励振する。しかし本論文で述べるように，温度が上昇するにつれでセンサの共振周波数f_0が低くなるために温度ドリフトが生じている。そこで，共振周波数f_0とは異なる周波数で励振することで温度ドリフトが低減できることを実測と計算の両面から明らかにしている。なお，本論文でとりあげているEC変位センサの使用範囲温度は-20°C～120°Cである。本論文では以下の事項について述べる。（1） EC変位センサの温度特性の計算手法；（2）温度ドリフトの実測値と計算値との比較；（3）温度ドリフトを改断るための励振周波数の検討。