平成23年（2011年）東日本大震災における農村工学研究所 の対応と農地、農業用施設等の被害実態

摘要

平成23年3月11日14時46分頃，三陸沖，牡鹿半島 の東南東130km付近，深さ24kmを震源とするマグニ チユード（M) 9,0め地震（本震）が発生し，震源域は 岩手県沖から茨城県沖までの広範囲に及び，気象庁は， 「平成23年（2011年）東北地方太平洋沖地震」と命名 した。今回の地震は，太平洋プレートと陸のプレ一トの 境界で発生した海溝型で，その規模は国内観測史上最大， 世界でもスマトラ島沖地震（2004年）以来で，1900年 以降では4番目に大きな巨大地震であり，宮城県北部で 最大震度7,東北、関東8県で震度6以上など，東日本 を中心に北海道から九州にかけて日本列島全体力s'揺れた (Fig.l参照）。また，地震により最高潮位9.3m，津波遡 上高は国内観測史上最大の40.5mに上る大津波が発生 し，震源域に近い東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に おいて約56,100haが浸水し(Table1参照），多くの尊い 生命と財産が一瞬にして奪われた。その後（2011年10 月6日まで）余震は，M5以上が579回，M6以上が96 回，M7以上が6回，最大震度4以上のものは208回と なっている。本震の翌日（3月12日）未明には本震の 余震域外でも，長野県北部を震源とする強い地震（M6.7, 最大震度6強）せ，また3月15日夜には静岡県東部を 震源とする強い地震（M6.4,最大震度6強）が発生した。