平成23年（2011年）東北地方太平洋沖地震による水田面の 起伏（不陸)，亀裂，液状化に関する復旧対策技術

摘要

平成23年（2011年）3月11日14:46に東北地方太平 洋沖を震源とした観測史上最大のマグニチュード9.0の 地震は，東北地方を中心に茨城県，千葉県の太平洋沿岸 部を含む広大な範囲に甚大な被害をもたらした。特に東 日本大震災の被災地は農業を基幹産業とした地域が多 く ，復旧には農地や農業設の早期のゃ1復が不可欠とな る。また，農業機械もほとhどが失われており，今後多 くの農家が離農する可能性が懸念されていることから， 復興には効率的な営農を可能にし，かつ災害にも強い農 地基盤の再構築が必要になると思われる。津波被災農地面積は，農水省の発表によると約 23,600 haといわれ，農地の流出やがれき，土砂の堆積，用-排水機場や水路といつた水利施設の破損などのダメ一 ジ を受けた地域は災害復旧事業による修復が必要となる。 その他の被害としては，地震の揺れによる農地の液状化 や亀裂，パイプラインの破損などがあり，揺れの大きさ や地盤の違いによつて被害程度は各地で異なる。本報告 では震災による水田の起伏や亀裂，液状化の発生に伴う 被害状況を茨城県南東部に位置する稲敷市の利根J11沿岸 地域を中心に報告し，復旧対策技術について過去の震災 での実例を踏まえながら今後の課題を述べる（Fig.l)。