CoFe_2O_4/Ba_(0.7)Sr_(0.3)TiO_3複合構造のマルチフェロイック特性

摘要

複合構造をもつマルチフェロイック材料は、強磁性と強誘電性の共存だけでなく、界面歪み効果を用いた電気磁気（ME）効果など新たな特性の発現が可能である。そこで磁歪材料であるCoFe_2O_4と、圧電体であるBa_(0.7)Sr_(0.3)TiO_3の積層構造による界面歪みを用いたME効果発現のために、積層膜の磁気特性や誘電特性を調べた。本実験では、Ba_(0.7)Sr_(0.3)TiO_3上にスピネル構造を持つCoFe_2O_4のエピタキシャル成長を実現し、その積層膜でマルチフェロイック特性の発現が確認できた。単膜と比較して強磁性の向上、リーク電流の増大による強誘電特性の悪化が見られたが、強磁性の向上は歪みの影響、強誘電特性の悪化はBa_(0.7)Sr_(0.3)TiO_3の酸素の欠損によるものと考えられる。