コラ一ゲンが開く新しい細胞支持体の幾何学一合種形状のアテロコラーゲン成型物の応用一

摘要

近年，細胞培養技術を基本とした再生医療，あるいは特定の遺伝子，アンチセンスの導入による遺伝子治療等の新しい医療技術が実用化される段階に成って来た。 この様な新規な医療技術の鍵になる要素の－つが細胞外マトリックス（extracellular matrix, 以下ECMと略す）であり，特に形状等で最適化された天然由来ECMが重要な役割を演ずることが分かつてきた。 ECMは細胞の足場になる細胞支持体であり，遺伝子やサイトカインを生体に有効投与するための担体でもある9このうち動物タンパク質の約1/3を占めるコラ一ゲンは，天然由来ECMとしてその豊富さ，精製の容易さ等から優れた材料であり，これを材料とした細胞支持体（スカフォ一ルドとも呼ばれることがある）が重要になるであろう。 この利用においてその立体幾何学的性質が，急速に注目されるようになってきた。 新しいECMの幾何学につい.ては文献に譲り，ここでは，コラーゲンの成型について，いくつかの例を示し述べてみたい。