非加熱殺菌法を中心とした新規殺菌技術

摘要

微生物や農薬などの化学物質の汚染のない安全で，な おかつ嗜好性や機能性の成分を含む高品質の食品を要望 している.微生物的安全性確保においては，加熱殺菌が 一般的であるせ,生鮮物には対応できないことや一般の 食品加工においても品質の保持と殺菌の確実性のバランスを保つことが困難なケ一スもある. 野菜，果実，魚介類，畜肉などの生鮮物や通常の加熱 処理で熱劣化が生じるような対象物については，殺菌処 理の必要がある場合には，古くからガスや液体、固体薬 剤を用いた殺菌が行われてきた(表1).これらはァ線 や紫外線を用レ、た放射線とともに冷殺菌，非加熱殺菌と 分類されていたが，薬剤を用いる殺菌方法は，熱による 劣化や品質低下を生じないにしても，殺菌成分による品 質の低下や薬剤の残存性の危険性を考慮する必要がある.