ダイアモンド型プローブを用いた簡易人体頭部埋め込み固体眼球ファントム内部電界強度分布測定

摘要

従来，無線端末によるSAR測定には液体ファントムを用いた電界プローブ走査法が一般的であり，広く普及している．液体ファントムで人体モデルを再現することは，ファントムの作製や標準化を容易に行えるメリットがあるが，生体を一様な媒質としモデル化を行うため，生体を構成する各組織の作り分けが困難である．特に脳や眼球はその幾何学形状から特定周波数で発生するホットスポット現象が指摘されているため，その形状を考慮した評価を行う必要があるものの，現在までその実験的評価は均質な液体ファントムに限定されている．本論文では自立性に優れ任意形状に加工可能な固体ファントムを選択し固体眼球ファントム及び固体脳ファントムを試作することで，眼球内ホットスポットの再現可能な簡易頭部モデルの作製を行った．また，固体ファントム内の電界強度分布測定に適した形状のダイアモンド型プローブの作製を行い，具体的応用として簡易頭部モデルを用いた電界強度分布測定を行ったので報告する．