沿岸の漁具および施設に働く波力の簡易計算法

摘要

現在の日本漁業は200海里漁業水域の設定に伴い，沿 岸漁業の振興が重要な課題となっている。沿岸漁業にお いては，定置網、増養殖施設、魚礁などの各種水産施設 が使用される。従来の沖合いでの漁船漁業においては， 漁具に働く波力を問題とすることはなかつたが，沿岸漁、 業においては，これら水産施設に働く波力は重要な課題 である。必然的に水産施設の設計には波力計算が伴うが，本来 波力計算においては，波浪の数学的取り扱いが難解であ り，最も簡易な波理論においても波の要素に双曲線関数 が用いられ，さらには水深に応じた積分計算が必要とさ れ，コンピュータによる計算が避けられないのが実情で あった。