二重反転プロペラを装備した海外巻網漁船 「日本丸」の省エネルギー操縦方法の提案

摘要

二重反転プロペラ(Contra-Rotating Propeller,以下， CRPという）とは，互いに反転する二つのプロペラを船 首尾方向に隣接して配置した推進器である。前方プロべ ラで発生する後流には，推力に寄与しない旋回流が含ま れるので，プロペラ効率が低下する。そこで，前方プロ ペラの後方にあるプロペラを反転させると旋回流が減少され，約10%程度の推進効率の向上が期待できる。 このため，商船では遊星歯車を利用して同心軸の外軸と 内軸を反転させるシステムが採用されている。これに対して，漁船では2006年9月に竣工した海外卷 網漁船「日本丸」にCRPがはじめて採用された。このシ ステムは，従来のディーゼル機関を原動機とする1基1 軸推進システムに，舵板の船首側に電動機駆動の後方プ 口ペラを取り付けたCRPである。