液晶性を活かした有機半導体と塗布型太陽電池

摘要

太陽電池が温室効果ガス削減のための真の エネルギー源となるためには，社会の到る所 に限なく普及することが必要であり，発電コ ストを下げることがまず不可欠である.その ためには，低コストプロセスによる量産化と， 高効率化の両立が必須の課題である.有機半 導体を用いた有機エレクトロニクスは，プリ ンタブル技術が実用化段階に入ろうとしてい る.太陽光発電においても，特別な前後処理 を一切必要としないワンステップ印刷プロセ スにより，非真空ロール.トゥ.ロールで大 面積の高速生産が可能となれば，製造設備投 資の低コスト化，高生産アウトプットにより， 製造コストを抑えることが可能となる.しか も，有機材料の利点である軽量でフレキシブ ルな太陽電池モジュールの実現により，設置 コストの大幅な低減と，建物の屋根の上に限 らない多様な設置形態が可能となり，発電単 価の低下が期待できる.