最終回知的発表のための技術これから一生レポートを書き続ける君たちへ研究不正をしない

摘要

STAP細胞をめぐる騒ぎはいったい何だったのか.3年前の今ごろは，日本国中がSTAP細胞の話でもちきりだった.STAP細胞は本当にあるのか，かわいい小保方さhを何でいじめるのか，といった話がどこでも聞かれた.しかし，1年もたたないうちに，STAP細胞の正体は完全に明らかになった.STAP細胞といわれている細胞は，実はES細胞だった.万能細胞の条件である奇形腫も，キメラマウスも実は混入されたES細胞であることが，残されていた標本のゲノム解析から明らかになった.胎盤と胎仔をつくるというSTAP細胞は，胎仔をつくるES細胞と胎盤をつくるTS細胞を9:1で混ぜ合わせたものだった.論文の図には，ねつ造，改ざhが加えられていた.文章の盗用もあった.弱い酸性溶液に30分つけただけでできるというSTAP細胞は世界中の七つの研究室で133回試みたが，誰も再現できなかった.研究不正のデパートのような論文，それがSTAP細胞論文でぁった.