冷凍機冷却低温超電導コイルへの有効電力法に基づくクエンチ保護システム適用に関する基礎的検討

摘要

超電導コイルがクエンチすると，急激な局所的温度上昇や高電圧による超電導導体の特性劣化，あるいはアーク放電による導体の損傷や絶縁破壊，構造物破壊などの激しい事故が発生する場合がある．そのような不測の事態に至らないよう，クエンチした場合にはできるだけ早くクエンチを検出し，コイル内部の蓄積エネルギーを外部に引き出し，コイルの温度上昇を抑える必要がある．特に現在普及しつつある液体ヘリウム不要の小型冷凍機冷却マグネットにおいてはクエンチ後の温度上昇が浸漬冷却に比べてより過大となるため，クエンチ保護に対して，さらなる早期·確実性が求められる．