耐候性鋼橋梁の腐食環境調査と三次元写真計測の適用について

摘要

耐候性鋼材は，さびでさびを防ぐという特性を持ち，無塗装や優れた耐食性を発揮するため，橋梁に適切に使用すると維持管理コストの低減が可能となる．しかしながら，耐候性鋼材の有用性は橋梁架設地の環免　つまり，保護性さびが正常に生成できる環境であるかどうかに大きく左右されるが，実橋梁における環境条件とさびの生成状況との相関を特定の橋梁に対して詳細に調査した報告封はあまりなく，耐陰性鋼橋梁の適用環境に関するデータは必ずしも十分ではないのが現状である．また，耐候性鋼材の適用環境の調査とともに，既存の耐候性鋼橋梁における保護性さびの生成状況の確認と処置の必要性の有無を判断することが重要であると考えられる．現在，耐候性鋼材のさびの生成状況を判断する外観評価方法は目視が基本とされているが，目視がゆえに検査者の立場に　より評価がばらつく可能性があるため，客観性に　優れた評価法が要求されている．