スギの未来を拓く短伐期、省力化林業 －九州地域での林木育種の取り組み－

摘要

日本各地で、林業に少し元気が出てきている。近年、技術開発の進展や国内資源の充実に伴い、国産材が外材と比較して優位となりだして見直され、日本各地で国産材の流通、加工に活気が出てきている。特に九州地域では、年間丸太取扱量が10万m3を超える工場が各地で稼働しており、スギの中径材が大量に利用されている。用途は、芯持ちの角柱、合板、集成材等であるが、これらに求められる丸太の品質は、従来の需要（付加価値需要：大径、通直完満、赤シン等の高品質材）とは大きく異なる新たな種類の需要（大量安定供給需要：中径、多少の曲がりは許容、心材色は問わない）となっている。