当院における先天性内反足に対するPonseti法導入後の短期治療成績

摘要

当院では，2008年12月より先天性内反足に対してPonseti法を導入し，重症例や再発 例に後内側解離術などを行ってきた.当院の短期治療成績を報告する.【対象と方法】対象は2008 年12月以降，2歳以上まで経過観察した，先天性内反足27例38足である.X線評価は，正面距踵 角A-TC,側面距踵角L-TC,側面脛踵角TiC， TCindexを計測した.また，最終的に追加された 軟部組織解離術について調査し，従来法と比較した.【結果】最終X線評価時は平均5歳1か月で， A-TC 28.5°, L-TC 24.8°, TC index 53.3。 ， TiC 80.7°となり，初期治療終了以降にplantigrade喪失 により，広範囲軟部組織解離術に至った症例は，特発性5例，先天性多発性関節拘縮症2例の7例 8足21.1% (Kite法に準ずる従来法60%)で，手術時平均年齢3歳8か月であった.【まとめ】Ponseti 法は従来法と比較して広範囲軟部組織解離術に至る比率は低く，手術回避率は78.9%であったが， 手術回避のためには装具装着の継続が重要である.