二分脊椎に伴う脊柱変形の検討一麻痺レベルによる特徴的な脊柱変形は存在するか？

摘要

二分脊椎患者における，麻痺レベルごとの脊柱変形の形態学的特徴を調査した.対象は，当科通院中の二分脊椎患者中，脊椎の評価がなされた10歳以上の患者27例である.Sharrard分 類による麻痺レベルと脊柱変形の形態，および関連する因子を横断的に調査した.Sharrard1群4 例では，全例60°以上の腰椎カーブの側弯を認め，うち3例で胸腰椎移行部後弯または腰椎過前弯 を合併していた.3群は6例中2例に脊髄係留を伴う側弯を認めた.4群は8例中2例に脊髄係留 を伴う側弯を認め，うち1例は半椎を合併していた.5群は6例中2例で，1例は脊髄係留を伴う 側弯，1例は奇形椎による側弯であった.6群3例では側弯は認めなかった.3群以下の側弯では腰 推の後弯ないし過前弯を認めず，矢状面での変形を伴う重度側弯はすべてSharrard1群であった. また，3群以下の側弯はほぼ全例に脊髄係留が合併していた.