Satellites Window：仮想空間上でのウィンドウマネジメントユーザインタフェースの提案と実装

摘要

本論文では，仮想空間上のウィンドウマネジメントシステムSatellites Windowの提案と実装，その評価について述べる．我々はパソコン上でウィンドウと呼ばれるアプリケーション毎に与えられた作業領域を平面的なディスプレイの上で使用し続けてきたが，近年ではVRの普及により，HMD（ヘッドマウントディスプレイ）という新しい環境も登場している．HMDを通して見る三次元的な仮想空間にウィンドウを配置すれば，ユーザは平面的なディスプレイよりも立体的に拡張された作業領域を得ることが可能である．しかし，ウィンドウを仮想空間で利用する場合，その操作の複雑化が予想される．また，平面的なディスプレイとは違い，立体的な仮想空間上でユーザがどのようにウィンドウを活用するかの傾向も知る必要がある．本研究は前段研究で実装した仮想空間上でウィンドウを用いるための基礎的な環境とその評価実験によって収集した実際の作業時のデータを基に，仮想空間上でのウィンドウマネジメントユーザインタフェースを提案し実装を行った．そしてその評価では実装されたウィンドウマネジメント機能の有用性を確認し，更なる機能の提案を行うための有力な意見とデータを得る事ができた．