水田土壌の地力低下の実態とその対策について

摘要

山形大学の藤井です。本日のテーマは水田土 壌の地力低下の実態とその対策についてというこ とです。今、農林水産省の相原さhから政府が展 開する農地の地力強化に係る関連施策についての 話をお聞きしていて、新たに策定された基本計画 を前面に、関係する全ての人達が知恵を絞って地 力強化対策を加速していくことが何よりも重要で はないかとかと想I、を新たにしたしだいです。私 は山形大学で水田農業をはじめ農業農村の現場に 長年にわたって身近に接してきたわけですが、米 どころの東北地方をはじめ、北陸各県、更には、 全国各地の水田土壌の地力低下は一刻も猶予でき ない状況にまで来ているのではないかと危惧して いるところです。地力低下という現状を目の当り にし土壌肥料関係の農業研究者として常々考える ことは、この現状を消費者の方々にも積極的に発 信し、国民的な理解を深めていくことが何よりも 重要な状況に至っているのではないかと思ってい るところです。何をご理解いただくかということ ですが、「無から有を生み出す農地は国の宝とい うことです。水田や畑の地力の実態を理解し発信 していくことも国民の重要な役割ではないかとい うことです。電気.水.ガス.交通.通信は人間 社会の極めて重要なライフラインであることには 異存がないと思いますが、我が国においては同様 に水田も人間社会の貴重なライフラインというこ とです。今、それが失われようとしています。」 ということです。農政のグランドデザインとされる「農林水産業、地域の活力創造ブラン」が策定 され、相原さhからご説明があった「食料-農 業-農村基本計画」も新たに策定されました。ま た、長年にわたって交渉が進められてきた関係国によるTPP交渉が大筋合意,に至ったこのタイミ ングが、農林水産業の構造改革の最後のチャンス といわれています。担い手への経営資源の集積等 により構造問題を克服し新たな成長産業へと農業 を再構築していこうということですが、再生され た農村が持続可能な産地として自立していくため には、地力問題へのあらたな対応が避けて通れな いということをお話ししようと思います。