食一薬間相互作用：薬物代謝酵素（CYP3A4， CYP2C9)活性に対するェゾゥコギの影響（第3報）

摘要

機能性食品素材として利用されるェゾゥコギAcanthopanax senticosus Harmsに含有することが知ちれている14種の各成分につい て，ヒ卜肝ミクロソ一厶を酵素源として CYP2C9およびCYP3A4活性に与える影響 を検討した.その結果，セサミン，ケルセチ ンが両酵素活性を，ケルシ卜リンがCYP3A4 活性を強く阻害した.CYP2C9活性に対する セサミンおよびケルセチンの50%阻害濃度 は，ェゾゥコギ乾燥ェキス（ASE)に対しそれ ぞれ約124倍および59倍，CYP3A4活性に 対するセサミン，ケルセチンおよびケルシ卜 リンは，それぞれ約427倍，約135倍および 22倍低い値を示した.いずれの成分も非競合 的に両酵素を阻害した.各成分のASE中の 含量を考慮すると，ェゾゥコギの薬物代謝酵 素に対する阻害は，これらの含有成分あるい は含有成分の代謝物を含む複数の成分の相加 若しくは相乗作用であることが推察された.