動脈スティフネスと運動

摘要

動脈は内膜·中膜·外膜の3層で構成され，血管内皮細胞，血管平滑筋，コラーゲンやエラスチンといつた弾性繊維で形成され，自律神経や内皮細胞の調節を受けている.胸腹部に位置する比較的太い動脈（以後，中心動脈）は，左心室の収縮期における受動的膨張と拡張期での弾性反動によって，左心室駆出による拍動を緩衝することで末梢の組織や血管を保護し，左心室にかかる負荷を低減している.また，中心動脈弾性の減少き動脈スティフネスの増加は将来の心臓血管病の独立した危険因子であることが示されている.