瀬戸際に立つ電炉メーカー

摘要

消費税率引き上げによる鉄鋼需要への悪影響は懸念されたほどではなく経営環境は堅調推移している．高炉メーカーの生産活動はフル生産の状況だ．一方，電炉メーカーの経営は中堅電炉数社が事業停止に踏み切るなど総じて厳しい状況下にある．2014年度4月-6月期の粗鋼生産は前期比0．5％（27万トン）増の2770万トン（経済産業省）と引き続き高水準の生産を維持する．年換算で1億1000万トン規模の生産水準が続くことが目下のところ高設備稼働率を維持することにつながる．また同期の小形棒鋼の生産量は前期比5．8％増の238万トン．大雪の影響で減産が目立った前期に比べ増加するものの，前年同期比では3％近くの減となった．片やH形鋼の生産量は前期比1．4％微減の106万トンと建築関連の需要の底堅さを証明する．