津波漂流物を介した海藻の移動

摘要

東北地方太平洋沖地震時の津波の影響により， 数百万トンもの大量のがれきが太平洋上に流出し たと考えられており，環境省の推定ではそのうち 数十万卜ンが北米西岸に漂荇するとされていた。 そうした漂流物は，多額の撤去費用はもちろh， それらに付着した東北地方原産の海洋生物が外来 種となり，漂着先の生態系に悪影響を与える可能 性が高いという点でも大きな問題である。日本周 辺から海外に移入した海藻としてはワカメが有名 であり，世界各地に定着した結果，現地の生態系 や水産業への影響が憂慮される唞態となってい る。また，ワカメ以外にも判明しているだけで 15揷の海藻がト日本周辺から北米沿岸に移入?定着 している。今回の津波に由来する漂流物に着生 した海藻の種多様性や逍伝的多様性を把握するこ とによって新たな移入の可能性を把握し，今後の 移人防止対策として活用することが現地の设生態系 や種多様性の保全に不可欠である。