ゾエアの歯みがき

摘要

これまでにエビ.カニ類の幼生サンプルをたくさh見てきたが，やはり生身の幼生を世話していないと実感できないことがいくつかある。その一つがゾエアの‘身づくろい’行動である。ゾエアは主に顎脚を使ってピピッと泳いでは休hで下方に沈む，ということをくり返すが，この休hでいるときに，しきりに頭部を尾節や顎脚などでぬぐうようなしぐさをする。これは頭部の表面についた微小なゴミをぬぐい取っているようにみえる。私たちはどうしてもヒトを中心にして世界をみており，動物を擬人化してしまうことが多々あるが，この動きを眺めつつ思い浮かhだことがある。もしゾエアがヒトのように歯みがきをしたらどうなるのだろう？