磯焼けと海藻群落の遷移

摘要

地球全体の植物が光合成によって生産する有機物の総巌は，年間約1，500憶tと試算され，陸と海とで半分づつか，やや海の比率が高いといわれる。 地球上の場所別の生産量を比較すると，陸と海とが接するごく狭い沿岸岩礁域がもっとも高い。 沿岸岩礁城は，面積では海全体の0．1％にすぎないが，生産量ではその10％以上にもおよhでいるl）。 沿岸岩礁域の高い生産量は，私たち日本人には特になじみの深いノリ，ワカメ，コンプ，ヒジキなど海藻が担っている。 中でも海中林とよばれるコンプやホンダワラの仲間である大型多年生褐藻が構成する梱物群落は，1年間で3～8kg（乾重量）／m~2コに達し，陸上でもっとも高いと考えられている熱帯雨林と等しいか，その2倍以上もある2～り）。 海中林は地球上最高の生産者なのだ。