窒化クロム薄膜の配位原子置換による電子状態変化と結晶構造転移

摘要

切削工具や金型へのハードコーティングとして用いられる遊移金属窒化物は，第3元素を添加することによって高硬度化一高耐酸化性化させた材料が各種開発され実用化されてきている。 大きく分けて（1）ナノコンポジット化（2）固洛添加の2種の手法がなされている。 ナノコンポジット化ではSiの添加例が優れた成果を挙げている。固溶添加では，TiNにAINを固潜添加つまり．Ti原子の一部をAlに置換固溶させた（Ti，Al）N制勝が1990年代に開発·実用化され．TiNに替わるハードコーティング材料として広く用いられている。この他にも金属元素を優換した例は，（Cr，Al）Nや（Ti，Cr）Nなど多くの応用例がある。一方　非金属元寮である、叩を他元素で置換する例としては，Cで置換したTi（C，N）が古くから使用されている。 我々は「元素置換が最善の高硬度化手法」と考えている。