メタンのスチームリフォーミングに用いるニッケル系酸化物触媒の開発

摘要

水素はアンモニア合成や水素化反応の原料として工業的に現在広く用いられており，また燃料電池の燃料として今後の需要の増加も見込まれている．将来的な化石資源の枯渇に備えた再生可能エネルギーからの水素製造に関する技術も盛hに研究が行われているが，大規模な実用化には数多くの課題が残されている．炭化水素の水蒸気改質反応は最も経済的な水素製造方法1）とされている．現在工業的には主にメタンの水蒸気改質により水素を製造しており，下式に示すように水蒸気改質（スチームリフォーミング）反応と水性ガスシフト反応の二段階の反応を行う．水蒸気改質反応　CH。 ＋H20→CO＋3H2　 水性ガスシフト反応　CO＋H20→CO2＋H2　 メタンは天然ガスの主成分であり現在広く用いられており，次世代の主要な一∴次エネルギー源としで最も注目されている日　 経済産業省で行われている家庭用燃料電池普及促進を目指した実証専業では，水素源として都市ガスを各家庭で水素に改質し固体高分子形燃料電池の燃料とする試みがなされている．　 燃料電池を家庭用として使用する際にはDSS運転（Daily Start-up and Shut-Down）を行う必要がある（図1）．家庭では電力消費の変動が大きく，例えば夜間など電力の必要の少ないときは燃料電池システムの運転を停止する．