メカノケミストリーを利用した都市資源処理とそのスケールアップ

摘要

メカノケミストリーは，固体に機械的応力を作用させることによって発現する活性化現象を取り扱う学問分野であり，多くの検証例がある．メカノケミカル（MC）現象は，超音波やマイクロ波の照射によっても起こるが，簡便に達成できるのは，粉砕である．粉砕すると固体は細かくなり，結晶質ではその構造が無定形化したり，相転移したりする．その過程では，活性化現象が起こり，反応性が向上する．これを利用すると，その後の溶媒抽出操作で容易に特定物質が抽出できるようになったり，あるいは，第3物質共存下で粉砕すると相互間相反応が起こり，新たな物質が生成し，それがその後の溶媒抽出操作で容易に回収できたりするなど，新たな分離プロセスが出来る．