金属ナノ粒子の集団的光発熱効果にょる新規バイオ分析法の開拓

摘要

1.はじめに近年，世界的に健康長寿のための予防医療の整備が重要課題として掲げられ，新興国での産業活動の急成長に伴う輸出入の自由化の問題なども重要課題である.これらの課題解決のため，遺伝子やアレルギ一物質などの生体物質や病原細菌などを迅速かっ高感度に検出するバイオセンサ一の開発~(1）)が医療分野や食品検査，環境計測などの分野で求められており，さまざまな分析技術の研究開発が行われている.それらの例として，バイオチップなどが挙げられるが，最新のキットでも全行程を含めると検出時間に数時間を要する場合がある.酵素免疫測定法(ELISA)も確立された方法ではあるが，多量の検体が必要で，検出に要する時間が長いという問題がある.これらの技術に共通して必要な要素技術は蛍光標識のプロセスであるが，少量のタ一ゲットでも高感度に検出できるメリットはあるものの，高度な前処理が必要で試薬や装置が高価であることがボトルネックとなっている.