セラミックリアクタ一開発の展開

摘要

高効率エネルギ一変換や多種燃料利用に対応可能な酸化物固体電解質形燃料電池(SOFC)技術は，固体結晶中を酸化物イオン等が自在に拡散するイオン伝導性固体電解質材料が鍵となり，それらを活用する，化学エネルギ一から電気エネルギ一に変換する燃料電池のみならず，水素製造等の化学物質を合成する固体酸化物形電解セル(SOEC）技術としてのセラミック電気化学リアクタ一としての利用展開が可能である.特に，太陽電池や風力等の供給変動が多い電源が電力系統に多く導入されると，その電力平滑化が重要である.それを可能とする革新技術の一っとして，水素製造と燃料発電を一っのデバイスで可能なリバ一ジブルセル技術等が注目されている. これらの用途に向けた燃料電池や電解リアクタ一技術の一っとして，マイクロチュ一ブ型SOFC製造技術にょる次世代型SOFCおょびSOECが検討されている.日本においても，これまでにジルコニア系，セリア系等の酸化物イオン伝導性のセラミックス電解質材料でのチュ一ブセル等研究開発が大学~企業にょり進められてきた~(1?3）).また，高度なセラミック集積化プロセス技術の観点から，電気化学セラミックリアクタ一での革新的製造技術の開発がNEDOプロジェクト「セラミックリアクタ一開発（平成17?21年度）」が行われ，体積当たりの集積度が高められ~(4?11）)，低温域からの発電性能を向上するための研究開発が進められている8?10).