水素エンジンの展望

摘要

全世界のエネルギー消費は，石油換算で酢．6億トンでありその約90％が化石燃料に頼っている1）．化石燃料は，エネルギー密度が高く，安価で，利便性が商いことからわれわれはそれに甘え急速な消費を続けてきた．その結果，化石燃料の枯渇化と地球環境の悪化という脅威にさらされている．更に，化石燃料をこの調子で使い続ければ脅威がそのうちに現実の問題となる．この枯渇化と地球環境の悪化を同時に解決する唯一の方法は，地球誕生から地球に恵みを与えてきた太陽エネルギーと地球上に盤宵にある水を利用して人工的に製造できる水素燃料を利用することである．水素燃料は，図1に示すように利用されたあとは水素燃料の原料である水に変換されるため，太陽のエネルギーを与えることにより元の水素燃料に直ぐに変わる．よって，大気成分は，いつも均質で安志した状態に保つことができる．一九　 化石燃料は，化石燃料が使われたあとの二酸化炭素と水は，水素燃料のように太陽のエネルギーを与えたら直ちに化石燃料には変化しない．現時点では，水素燃料は化石燃料よりかなり高価な燃料であるが，少しずつ上記の脅威を解決するため便われようとされている．その一つとしてわれわれの生活の必需品であると誰もが認める自動車がある．しかし，自動車は石油の約30％を使っていることと，その排気ガスは，経済的な回収が不可能であるので，自動車は化石燃料の枯渇化と地球環境の悪化に大きな影響を与えている．そこで枯渇化と地球環境の悪化を同時に解決してくれる水素燃料を用いる水素エンジンの展望について述べてみたい．