中空バイオナノ粒子を用いたピンポイントDDSの開発

摘要

近年，薬剤の安全かつ効果的な投与を行うためにドラッグデリバリーシステム（DDS）の研究開発が活性化されている．DDSのrll核をなす技術として，標的化（ターゲッティング）が上げられる．これは医薬品を適当な遇搬体（キャリア）に包含させることで，体内での行く先（体内動態）を積極的にコントロールし，薬物本来の効能を発揮させようとする試みである．医薬品の多くは全身投与であるため，高い治療効果を持ちながら，副作用のためにドロップアウトする医薬品候補が多い．また，医薬品としての開発に成功しても，副作用を抑える上で投薬量を下げるため，限定的な効果になる場合もある．したがって，ターゲッティング技術が極めて重要になる．特に血液中には低過度でも，積極的に患部に薬剤や遺伝子を集中でき為能動的なピンポイントDDS法が開発できれば，副作用を最小限に抑えて本来の効能を発揮させることができる．