「マルクス派最適成長論」の社会観·人間観—人間，自然，生産の関係と土台?上部構造論についての試論—

摘要

本稿は山下·大西[2002]でその基本的枠組みを形成して以来研究?開発が進められている「マルクス派最適成長論」が有すべき基本的な社会観，人間観を提示することを目的とする。「マルクス派最適成長論」は，「マルクス派」であるという性格ゅえに． 当然その基本的な社会観。人間観は史的唯物論のそれでなければならないが，他方で直接的には近代経済学の代表的個人モデルでもある。そして，通常その両者は正反対の社会観，人間観と考えられている。