中学校数学科における図形領域の授業づくりへの提言

摘要

本稿は，2008年3月に告示された中学校学習指導要領数学科の図形領域に記述されている目標及び内容を基に，今後の図形領域における授業の在り方について，次のような提言をまとめたものである。 （1）数学的活動は，特別な内容の指導をするときに用いるのではなく，日々の授業において積み重ねていく必要がある．（2）小中で共通する内容を指導するとき，関数の考えを活かして，中学校の重点を明らかにすることが大事である．それによって，小学校で学hだことを学び直すことができる．（3）図形の性質の証明のような指導が困難な尊元でこそ，言語活動の充実を図っていくことが必要であり，口述と記述の調和を図り，生徒の言い回しの不十分なとこ1ろを教師が巧みに補っていくことが大事である。 （4）移動のような動的な見方は，3年間すべてにわたって計画的に学ぶ機会を与え，身に付けさせる必要がある．（5）空間図形の指導では，展開図とそれから組み立てられる空間図形との関連付けを図ることが理解を深めることにつながる．