「スーパームーン」の日を予測する教材の意義

摘要

本稿の目的は,「スーパームーン」の日を予測する教材の意義を示すことである.そのために，天文現 象を題材とする数学的モデル化教材における幾何学化の特徴を先行研究の考察から捉え，これを観点に 問題の解決過程を分析した.具体的には，天文現象を幾何学化して考える際には「I動いているものを 適切に固定すること丄「II視点を対象化したり移動したりすること」が重要であることに着目し，この 観点から「スーパームーン」の日を予測する問題の解決過程を分析した.その結果，「スーパームーン」 という現象の幾何学化や予測において，Iとして太陽と地球と月の位置関係を満月の状態で固定して考 え図に表す活動，nとして視点の位置に対応した座標系を選択して定式化を図る活動等を顕在化させる ことができた.