ウェーブレットを用いた輝度画像と明るさ画像の双方向変換 ―輝度の対比を考慮した明るさ知覚に関する研究(その３)―

摘要

筆者はこれまで，光環境のデザインを，光を用いて空間や様々なものの見え方を調整する行為であるととらえ，そのようなデザインを実現するための必須のツールである「明るさ画像」（画像の各ピクセルが明るさ知覚に対応した値を持つ画像）を提供することを目標に研究を進めてきた．明るさ知覚は対比の影響を強く受けることから，まず複雑な対比の状況を定量的に表現する方法（コントラスト·プロファイル法）を開発し1），次に単純な条件での明るさ知覚の実験を行い2），実験結果をコントラスト·プロファイルを用いて一般化する方法を提案し3），それを用いて輝度画像を明るさ画像に変換する方法を提案した4）．