一科学者の回顧その環境を守るための放射線利用に注目「電子線照射によって排ガス中の亜硫酸ガスと窒素酸化物を除去する技術」を世界で初めて開発― 歴史と現状―

摘要

昨 年1 1 月1 7 日からウイーンのIAEA「電子線照射による排ガス浄化技術の実用化拡大に向けた挑戦」と題する会議が開かれ、世界から集まった20人余りの専門家による熱心な議論が行われた。1972年高崎研究所が世界で初めて見出し、その後大規模な工学研究と基礎研究を展開して、その成果は国際的にも注目され、アメリカ、ドイツ、ポーランド、中国、ブルガリアなどでも熱心な開発研究が行われ、ポーランドと中国で実用化が達成された。しかし、実用化の拡大のスピードを高めるためには、大型加速器の信頼性などの課題が残っており、IAEAは日本やポーランドと共に国際協力で実用化の普及に取り組hでいる。