幼児の語意味限定に及ぼす周辺事物の多様性と相対的大きさの影響

摘要

語彙学習に関する従来の実験研究では，被験者の目前に提示されたターゲット事物に対して新奇語が命名され，その漕が他のどのような事物にあてはまるかを判断させることによって，被験者の語意味判断を査定するといった手続きが主として用いられてきた．これまで，この事続きの中で譜癖字習に関与する様々な要因が明らかにされてきたといえる．例えば，2歳以後の子どもが極めて迅速に語彙を獲得していることを説明するために，事物に命名された譜はその事物全体を示すと仮定させる事物全体仮定（whole object assumption）や事物に命名された語はその事物が含まれるカテゴリーの名称を示すと仮定させる分類学的制約（taxonomic constraint）の存在が指摘されたり（Markman，1987，1989；Markman＆トIutchinson，1984；Markman＆Wachtel，1988），事物に命名された譜は形が類似している事物にあてはまると仮定させる形状類似バイアス（sllapebiase）の存在が指摘されてきた（Landau，Smith，＆Jones，1988）．