放射性同位元素の半減期は定数か？-軌道電子捕獲崩壊核種~7BeがC_(60)に内包された場合

摘要

放射性同位元素の崩壊定数（半減期）は放射性原子核が単位時間に崩壊する確率［（S1）］で表され，このスは環境や時刻によって変わらないとされている．しかし例外的に，β崩壊の一つの形式である軌道電子捕獲崩壊［ElectronCapture（EC）崩壊］では，半減期は物理的?化学的環境（例えば，結晶形や化学形，圧九温度等）によって変わる可能性があるとされている．なぜなら，EC崩壊は原子核位置に存在する軌道電子（主に1畠や2s電子）を原子核に取り込hで崩壊し（p＋e→n＋レ），その崩壊確率は軌道電子の原子核位置における密度に依存するからである．これはイタリア人科学者のセグレ（Segr畠）らにより1947年に提唱された古い問題である．1づ）しかし，EC崩壊核種の中で，最も軌道電子の影響を受けやすいとされる7Beの半減期でも，0.15％程度のわずかな変化が報告されているにすぎず，4）実験によって十分に検証されているわけではなかった．