学会誌の記事を広く楽しく読むために：第一原理計算を理解するために

摘要

委員の方から，この特集「学会誌の記事を広く楽しく読むために」の記事として「昇一原理計算」について書くようにと依鳩された際に，真っ先に浮かhだのは「さて何と言って断れば良いものやら」と言うものだった．と言うのも，「物理の素養をもった会員諸氏がつまみ境い的に専門外の分野を楽しむための近道案内」などという本にはJL、当たりがなかったからである．少々思案していると「卒論生や修士学生の教育に使おうという木はいろいろ考えているhじゃないですか？ そういう本で良いのです」と畳み込まれて，実は全くその通り，丁度この春から担当する学生のためのテキストを何にしようかと考えていたところだったので，引き受けた次第である．学会誌で話題になるのは，主に，第一原理計算における電子間相互作用の近似，具体的な計算手法，物質への適用と3つに分規できるので，本稿では，最初にそれぞれについての概略を述べてから，個々の本についてコメントしていく．