基礎物理教育についての雑感

摘要

現役を終えて3年過ぎたが，筆者はまだ大学で基礎物理の非常勤講師を続けている。 長年こちらを向いていない（物理学科学生以外）学生を相手に物理を担当してきた者として，物理教育についての所感を述べて諸氏の参考に供したいと思う。 彼ら，物理学科以外の学生が物理という科目をどう見ているかおよそご承知だと思うが，知的ではあるが難しいクイズのような問題を課する科目と捉えている者が多いと筆者は感じている。 およそ物理は日常生活と関係ないと考えている学生が多い。 これは高校の受験教育や大学の入試問題のあり方など問題は多いことは周知の通りであるが，物理教育のやり方にも問題があると思う。 最近，日本の中学生の理科応用力不足が問題になったばかりであるが，このことと無関係ではないと思う。