日本における社会経済史の発展と新保史学－数量経済史研究への軌跡－

摘要

2002（平成14）年2月17日に逝去した新保博博士は，近世の農村史·物価史·思想史，近代の金融史などの領域で学会の最先端をリードし続け，多くの菓頑をあげられた。 1988（昭和63）年から1990（平成2）年にかけて岩波書店から刊行されたr日本経済史』全8巻の近世に関する巻の編集に参画し，数量経済史研究の体系化につとめたし，Oxford University Pressから刊行される英文日本経済史のシリーズにも執筆予定であった。 本稿は，この英文日本経済史シリーズのために準備された新保先生の遺稿と数量経済史（QEH）研究会同人及び「19世紀の合」のメンバーにより開催された新保先生の草間業績をめぐるシンポジウムの記録を収録したものである。