確率的フロンティアモデルによる生産効率性のパネルデータ分析－わが国電気事業送·配電ネットワーク部門の計測－

摘要

本論文は，わが国9電気事業者送·配電部門に関する1981年から1998年の年次パネルデータを用いて，CES　 関数に基づく確率的費用フロンティアシステムを推定し，生産効率性の分析を行うことを目的とする。繁用フロンティアの推計から，技術非効率性および配分非効率性の計測を行うとともに，それらが要素需要および費用全体に与える影響度を分析する。 計測結果より，全事業巻平均で技術非効率性は約11％，それによる襲用増加は約12％であることを確認した。 また，資源配分に関しては，全事業者で労働に対する資本の相対的な過大使用が計測された。 配分の非効率性から生じている費用の増加水準は，平均で約5％であl），技術非効率性の影響度に比較して小さい。 同様に，事業者間の効率性格差に関しても，配分非効率性が費用に与える影響の格差は相対的に小きく，技術非効率性が総費用効率性の事業者間格差を説明する主要な要因となっている。