赤石山脈?赤石岳西方百間平に認められる釣り鐘状山体の重力性変形による多重山稜

摘要

急傾斜した帯状構造の卓越した地層が高起伏山地を形成する赤石山脈(南アルプス)主稜には,斜面の最大傾斜方向に直交し山稜に相対する比高数m?数十mの逆向き小急崖?小崖地形やそれらに閉塞されて発達した線状凹地がしばしば認められる(八木?井口,2011a,b)。それらの稜線付近の地形景観は,二重山稜あるいは多重山稜と呼ばれ,30度以上の急傾した谷壁斜面に対し10度以下で広がりのある頂部緩斜面が残された山体に発達することが多い。