製品検査におけるパターン情報の利用とその応用システム

摘要

今日，さまざまな製品の検査シスアムにおいて，画像上に写しこまれたパターン情報の利用が進hでいる．とりわけ，半導体，各種ディスプレイ材料関連製品の検査においては，ビデオカメラで捉えられた映像からパターン認識を用いて製品の位置座標を決定する技術が，重要となっている．この技術は，二次元面内の製品寸法計測のみならず，三次元表面高さ形状計測，塗布膜の厚さ計測，発光スペクトル計測，などを行うセンサーヘッドを決められた位置に精密に移動させるための不可欠な要素技術となっている．1930年代に投影機が開発され，生産現場における機械部品の寸法検査において，パターン情報の利用が始まった．この初期段階の寸法検査は，チャート図と称するトレース紙に書かれた機械部品の図面を投影スクリーンに貼り付け，実際の投影像と比較するという形で行われた．その後，この寸法検査を自動化するという試みがさまざまな形で行われ，1990年代にはいって，後述するCNC画像測定システムが開発され，大量少品種の製品の検査に広く使用されるに至った．さらに，将来に向けては，人間のもつ全体像把握機能を機械で実現する方向に沿った新システムが登場している．ここでは，画像上のパターンを用いた精密位置決め技術および寸法計測技術を応用したシステムの事例を紹介する．