第5回：むだ時間系の安定解析再訪--受動歩行の遅延フィードバック制御まで-（1）

摘要

本解説では遅れ型むだ時間系の安定解析について，伝達関数に基づく古典的方法，C_0-半群によるシステムの状態空間表現に基づく方法，リフティングを用いた離散的システム表硯に基づく方法を述べた。 はじめの2つについては，それぞれ成書において分散した章での詳細な議論をつなぎあわせて結果を得ているものを，スペースの都合上極端に切り詰めたため，いささか記述が不十分になっているがご容赦願いたい。 なお3番目の方法は，よく知られた結果を別の観点から理解するという以外に，ある種のハイブリッド系の周期運動を遅延フィードバックによって安定化する際の安定条件と深い関係にある。 これについては次回で述べる予定である。