ライフサイクルを指向した環境経営管理手法LCAからLCC, LCMへ

摘要

LCA （Life Cycle Assessment；ライフサイクルアセスメント）が注目されてから早10年が経過しようとしている．この間にノLCAは企業等における環境マネジメントシステム(EMS)構築のための有用なツールとして，ISO （国際標準規格）において承認されるとともに国際規格化が行われ，多くの産業界において利用されるに至っている．LCAは環境影響を評価するための1つのツールであるが，LCAの基本コンセプトである「製品のゆりかごから墓場までの考慮」は，ノ環境影響の評価ツールという枠組みを超えて，企業における経営コンセプトを形成するための重要な概念として浸透しつつある．この表われとして，近年LCC (Life Cycle Costing；ライフサイクルコスティング）が経済分析ツ－ルとして注目されているほか，LCM (life Cycle Management；ライフサイクルマネジメント）が環境経営のための重要なキーワードとして認識されつつある．本稿では，企業における環境経営を実現するためのツールやコンセプトとして注目される，LCA, LCC, LCMの現状とその問題点について整理するとともに，今後の方向性についてまとめた．