ナノサイズ自己組織化を生じる二成分混合系による超伝導特性の制御

摘要

1987年に液体窒素温度を越える約90Kで超伝導転移する物質として，初めてYBa2Cu3Oy（YBCO）が発見された1）．YBCOのYサイトを希土類元素（RE＝Y，La，Nd，Sm等）で置換したREBa2Cu3Oy，（REBCO）超伝導体もまた90K以上の超伝導転移温度（1）を持つ．このREBCOは高いT。の他に，磁場中において高い臨界電流密度仏）を示すという特長がある．このため，強磁場が発生可能な超伝導マグネットが実現でき，超伝導リニア，超伝導磁気エネルギー貯蔵装置，MRIや重殺子線加速器など多岐にわたる分野への応用が期待されている．