セラミックスナノ粒子のバイオメディカル応用-現状と展望

摘要

「ナノ粒子」という言葉の定義には諸説あるが，ここではサブミクロンも含み概ね数百nm以下の大きさの粒子を指すものとする．実際には本特集に詳説されるように粒径には「100nmの境」が存在し，血中滞留を担保するためには100nm以下の単分散状態が要請されることが多い．セラミックス粒子のハンドリングを考えると100nm以下の粒子は極めて凝集傾向が強く，比表面積の大きさに伴って雰囲気との反応も活性化され，ハンドリングが難しい．しかし，少量高付加価値のバイオメディカル応用においてはその手間を惜しむことなくかけるだけの意味がある．