製造産業を支える中核的ファインセラミックス部材：アルミ鋳造設備および鉄鋼製造設備に用いられるファインセラミックス部材

摘要

ファインセラミックスは，鉄鋼材料に比べ高い耐熱性，耐摩耗性，耐食性を有しており，中でもサイアロン等の窒化ケイ素系セラミックスは，高温における強度や化学的な安定性など金属材料に替わる構造材として期待され，現在アルミ鋳造設備および鉄鋼製造設備で使用される部材への応用が進められている．アルミ鋳造設備では，溶湯の温度を計測する熱電対の保護管，溶湯保持炉のヒーター保護管，低圧鋳造機における湯道であるストーク，自動車のエンジンブロックのダイキャスト鋳造におけるスリーブなど広範囲の部品へ適用が進hでいる．一方，鉄鋼製造設備では，自動車や建材向けめっき鋼板の亜鉛めっきプロセスにおけるめっき浴中ロール軸受けや熱間圧延ラインにおいて鋼材を次工程に送る搬送ローラー等が実用化されており，ラインの生産性向上や部材の長寿命化などを図ることができ，今後更なる適用拡大の期待も大きい．ここでは，アルミ鋳造設備および鉄鋼製造設備へ適用されているセラミックス部材について述べる．